【活動記録】児童養護のリアル

児童養護施設を卒園後、社会福祉系モデルやNPO広報として活躍中の田中麗華さんをお迎えし、児童養護のリアルについてお話しいただきました。家庭の事情から小学校1年生の頃より児童養護施設で過ごした田中さん。施設で過ごしているときには、職員などの大人に「1人のヒト」として見てもらう時間が少ないことが辛かったことを明かしてくれました。

 

また、施設を出た後は、情報もつながりも、心の準備もない中で、生きづらさを感じながら社会に出て行く方が多いことを共有いただきました。施設で育った方は、お金のことや生活のことなど、本当に社会の基本的なことを何も知らずに出て行き、息詰まる現状がある。世間の人々が当たり前のように知っている情報がきちんとあるだけも、大きな安心感につながります。

 

田中さんが感じている大きな課題として、児童養護は「可哀想な話の連鎖」として取り上げられることが多いことに対して、「今をどう生きるか/生きているか」を当事者も周囲の人も考えられるようにすること、を挙げていました。

 

養護の世界は馴染みのない人が大半ですが、確実に私たちの社会の中にあるものです。社会全体が、当事者意識をいかに高めていくのかが、当事者の皆さんの生きづらさを和らげることに大きくつながりそうです。